552号
新宿の裏通りに、10年位前から行きつけの小さなお店がある。店内には、店主の世界観がよく伝わる絵が、数多く飾ってあり
独特の大人のムードが漂う。
ほとんどの客が顔見知りで一見客はいない。
僕も友人に連れてきて貰って初めて知った。
ここに来ると、心が洗われ涙がこぼれる。そんな感動がこれまで何度もあった。
そのワケは、店主、「若林 ケン」の歌うシャンソンにあるのだ。
1日に2度程、店内が真っ暗になり、うす明かりが彼を照らす。
その詩がなんともせつなく、
「愛」という形のないものの「手触り」を感じさせてくれる。
今日は、そんなケンさんが作詞した「ママに薔薇を」と言う曲を簡単に紹介したい。
それは、5歳の男の子が繰り広げる愛の物語。
ある青年が、パリの郊外で車を走らせていた。
そこで、母の誕生日がもうすぐであることに気づき、
1軒の花屋の店先に車を停めた。お花を贈る為に。
すると、そこに目に一杯の涙をためた小さな男の子が立っていた。
「・・・どうしたんだいボウヤ?」と聞くと、その子はこう言った。
「今日ね、ママの誕生日なんだ。1年前、ママと約束したんだ。
今度の誕生日には、薔薇のお花を5本あげるねって・・・・。」
「だって、僕5つだから。でも、僕のおこづかいじゃ買えないんだ」って・・・。
青年は、花屋の店員にこう言った。
「この子に薔薇の花をあげてくれ。お金は僕が払うから。
それと、オフクロには薔薇の花を1ダース送っておいてくれ。」
薔薇を抱えたその子は嬉しそうにお礼を言って店を飛び出していった。
青年は母親思いの自分にちょっぴり得意になりながら、また車を走らせていた。
そして町外れの共同墓地で再びその子を見掛けたのだ。
車を降り、近付くと、その子は気づいて嬉しそうにこう言った。
おじちゃ〜ん!僕のママ、ここにいるんだよ。お花をどうもありがとうってさ。
・・・そう。青年はそれ以上何も言えなかった。
そして、さっきの花屋に急いで戻り、息をきらせてこう言った。
「すみません。オフクロに薔薇の花は送らなくていいです。」
僕、精一杯の愛を抱いて、オフクロに逢いにゆくから。
一部はしょって書いたけど、こんな詩です。
青年はその子供から本当の愛とは何か。
物や形じゃないと言う事を教えられた。
そんなせつなくも愛一杯の物語を、お芝居のように語りかけてくるのが
シャンソンであり、ケンさんの魅力。本当に素晴らしいんだ。
以前、個人的に僕がスポンサーになりCDを出した事もあるが、
今回、ケンさんは、1970年前半からシャンソンを唄いはじめ、
62歳にして、初のメジャーデビューアルバムを果たした。
(ソニーミュージックから発売)

KEN WAKABAYASHI 花束 〜Bouquet de CHANSON〜
このアルバムに、「ママに薔薇を」は入っていないけど、
数々の名曲が収録されています。
是非、ケンさんの世界を皆さんにも感じて貰いたいと思います。
<日記を読んでいただいている皆様へ>
いつもご愛読ありがとうございます。
実は今週末から、長期海外出張のため日記をお休みいたします。
帰ってきましたら、またお土産話なども、お伝えしたいと考えていますので、
楽しみにお待ちください。では行ってまいります!

若林 ケン 嘆きの天使

NEVER TOO LATE 何事も遅すぎることはない。
人生の最後に青春という季節をもって来たい。










































